体の言葉:感覚編「かゆい」
「痒み(かゆみ)」について
蚊に刺されたり、かぶれてしまったり・・・
はたまた、毛糸のセーターのチクチクが痒く感じたり、アレルギーなどから皮膚の痒みが伴うこともあります。
体が痒くなる瞬間は意外と多いもの。
では、この「かゆい」という感覚は一体どのようなメッセージなのでしょうか?
今回はその「痒み(かゆみ)」について解説していきます。
痒みは「痛み」の一種
かゆみをもっとも感じるのは皮膚だと思いますが、人体の皮膚には大きく4種類の感覚器が備わっていて(詳細は別記事体の言葉:皮膚感覚についてをご覧ください)、この中でもっとも密度が高いのが「痛覚」です。
基本的には密度が高いほどその感覚に敏感だと考えると分かりやすいでしょう。
つまり、人はいわゆる「痛い」という感覚にもっとも敏感なのです。
でも、「かゆさ」って「痛み」とは少し感覚が違いますよね。(痛みについては別記事体の言葉:感覚編「痛い」をご覧ください)
その差は一体どこから来るのでしょうか?
「痒み」と「痛み」の違い
では、痛みと痒みの差についてですが、よく ある誤解を先に解いといておくと、「痛み >痒み」ではないということです。
想像して頂くと分かりますが、爪でつねった程度の痛みよりも、「かきむしりたくなる」ほどの強い痒みが存在しますよね。
なので、「痒みが強くなると痛みになる」というわけではありません。
同じ痛覚由来の感覚ですが、痛みと痒みでは体の声の意味がまったく違います。
体感が違う以上は、別の「カラダの言葉」だということですね。
では痒みが伝える、体の声が発しているメッセージとは何なのでしょうか?
痒みを通して体が伝えたいこと
あなたは体が痒くなると、どんな行動を取りますか?
きっと、かゆい部分を「ポリポリ…」と引っ掻くのではないでしょうか。
痒い = 引っ掻く
これは万民共通で体が取る行動で、この挙動を「引っ掻き反射」と言います。