「怒り」に関連した様々な表現
日本語にはたくさんの「怒り」がある
日本語は心の様子についての表現方法が多彩である特徴を持ちますが、人の原初的な感情である「怒り」にもまた、たくさんの表現があります。
特徴別にその表現を分類すると、
大きく分けて4つのタイプがあります。
- 一般的な怒りに関連した表現:
「苛立ち」「憤り」 - 怒りの激しさにフォーカスした表現:
「激昂」「激怒」「憤怒」 - 小さな怒りの我慢が爆発した表現:
「癇癪」 - 対象に定着した怒りの表現:
「恨み」「憎悪」
一般的に「怒り」とは「怒りを感じる」、「怒りを覚える」と表現します。これらの怒りは「苛立ち」や「憤り」と同義で、表現を差し替えることができます。
擬音語では「イライラ」などが典型的なパターンですね。また、古典(仏教用語)では怒りのことを「瞋恚(しんに)」と表現します。
この怒りがとても激しい場合に、その程度に着目した「激昂」、「激怒」、「憤怒」などと言う表現が出てきます。
この強い怒りに関しては、怒り心頭に発する、逆鱗に触れる、怒髪天を衝く、など人の大きな怒りを表すことわざも広く存在します。
小さい「怒り」であれば多少の我慢はききますが(個人差はあります)、溜め込んだ感情はいずれ爆発するもの。その発作の様子を表すのが「癇癪(かんしゃく)」という表現です。
そして、「怒り」の中でも最も苦しいのが特定の対象に対して怒りの感情が定着してしまう状態。これを「恨み」や「憎悪」と表現します。
この定着状態になると、人はその対象を連想したり目の前にする度にその感情の強さに応じた怒りの感情を呼び出してしまいます。
このように日本語は「怒り」に関係した表現を非常に多く持ち、人々にとって「怒り」という感情がいかに身近で関連深い存在であるかがよく分かりますね。
このように私たちにとって大きな影響をもつ「怒り」についての解説は、別記事心の言葉:感情編「怒り」をご覧ください。